生存している報告と生存していく報告

非常にじめじめむしむしと嫌な気候が続く。こんな日に冗談じゃないと思いながらリクルートスーツに身を包んだ私は、今日も重たい体でどこかの駅を歩いている。

就職活動が本格化し、精神が不安定というより単純にここに割くだけのエネルギーと時間がなくなっていた。しかし私は生きている。日々、自己PRやらガクチカ(学生時代に力を入れたことの略らしい)を言わされながら、ああでもないこうでもないと質問を投げかけられながら。あなたの本当の姿を見せてくださいなんて人事は言うが、健康面で何か申告することはありますかの問に「うつ病」と記入した会社は全て落ちた。そういう世の中である。
今の状況はとてもしんどいものがある。日々新たな予定が入り、なかなか気が休まらない。仕方がないとは思いつつも少しずつ、毎日何かが削られていく心持ちでいる。このまま就職活動を続けたら、きっと今の私は無くなるのだろう。しかしこれまでも、日々を生きていく上で過去の私はなくなってきているのだからあまり問題はないのかもしれない。

苦しい毎日ではあるが、喜びもある。楽しさや喜びを日々の中に見出すことが、小さな頃の私の得意分野だったことをつい先日ふと思い出した。
ちゃんと企業説明会や面接の時間に間に合うように身支度ができることだったり、朝の満員電車に乗って移動ができることだったり、夜中に一人で手芸に励む時間があることだったり、知らない土地に一人で行けることだったり。
気付かぬうちに、私にはできることがたくさん増えていたということ。それに少しずつ毎日気付いて、少しだけ嬉しく誇らしくなる。こんな自分ならば、明日も明後日も生きてもいいか、とさえ思う。そして、そう思うことができる自分を、また少し誇りに思う。

病気を明かさず、なんとか日常生活も送りつつの就職活動は想像以上に大変だ。面接時間を遅らせて欲しいなんて当日に言えないし、何か配慮してほしいなんてもってのほか、こちらはできる限りボロを出さないように振る舞わなければならない。未だに、何か私はおかしな振る舞いや回答をしていないか不安だ。一時、人事はもしかして精神疾患などの人間のことをひと目で見抜くことができるのではと、毎夜泣いていたこともある。
しかし、まあ当面はこのままなんとか続行していこうと思っている。まだ私は今の状況について行けぬほど衰弱しているわけではないし、何かあったときに愚痴を言える友達もいて、家族も金銭的な援助をしてくれる。何より、私は自分が今の状態でどこまでできるか試してみたい。一度は先のことを考えられないような暗闇の中にいた自分が、そこを過ぎて自分の未来のことを考えてもがけるようになった自分が、どこにたどりつくのかを見てみたい。

そういうわけで、これは生存している報告と生存していく報告である。
私はきっと明日も生きていく。たまに死にたくなりながら、なんとかみっともなく生きていくのだと思う。
そんな自分に、明日も幸あれ。