不安と希望と現実逃避

8月末に、教授の専門分野とその他の分野の学会が合わさった、合同学会なるものが開かれる。コンクリートジャングルトーキョーで開催される学会で、なんと私は同じゼミの同級生数人と一緒にポスター発表をさせてもらえることになった。教授が手を加えてくださるので4分の3ほど、いや5分の4ほどは教授の発表だ。しかし、教授に教えてもらいながらも一応は学生たちで研究の目的を理解して文字に起こし、データを取り、比較しやすいように処理をして考察をした。この作業で私の夏休みは消えたのである。
小学校中学校高校で、調べたことを発表する機会はあったが、学会という、なんというかアカデミックな……アカデミックで良いのだろうか、うまいこと修飾語が見つからないが……そんな場で何かを発表したことはもちろん無い。緊張で死んでしまうかもしれないと思っていたが、意外とそんなことはないものだ。開催まであと数日に迫った今も、予想よりはるかに落ち着いている。やはり少しは不安もあるが、夜眠れないほどでも、連日腹を下して家から出られないほどでもない。これはポスターの完成のめどがたったというのもあるし、メンバーが信頼できる人たちだからというのも理由の一つだろう。私の病気を知っても私と極めて「普通に」関わってくれる人たちだ。思えば、他人と出掛けるときは大抵緊張で腹を下す私だが彼女らとの用事の時は至って快便である。汚い? たしかに。

さて、今回実は初めて私は友人とのお泊りというものを体験する。学校行事を除いて、私は友達とそういった体験をしたことがない。お互いの家でお泊り会とか、誰々ちゃんのおうちでパジャマパーチーだとか、そういうことをしてみたかったのだが、してみたいと思える友達がいなかった。書いてみると悲しいものがある。しかし事実であるので仕方がない。
私が緊張しているのは学会よりむしろこちらのことであって、何を持っていけばいいかとか、部屋の中で話題が尽きたらどうすればいいかとか、夜は早く寝るのか遅くまで会話に花を咲かせるのかとか、考えればきりがない。もし友達とのお泊りについての注意点など知っている方がおられたら教えてほしい、当日までにしっかり頭に叩き込んでおこうと思う。だがなんというか、やはり楽しみだ。私は臆病なので、あまり先のことに期待してはいけないと普段は考えることが多いのだが、今回はとても楽しみにしている。友達と一晩過ごすというのはどういうことなのだろう。どんな話ができるだろうか。お菓子を買ってきて摘みながらダラダラと時間を過ごすのも良いかもしれない。早く寝なきゃと焦るのだろうか、それとも開き直ってお互いハイで明日頑張ろうぜ、となるのだろうか。

そんなこんなで夏休みは作業と、それからアルバイトとで過ぎていったのだが、ちょっとした時間や寝る前などにゲームをすることでだいぶ現実逃避とリフレッシュができたように思う。自宅で一人部屋のなかったときは、寝る前のゲームなどもってのほかで、スマホをいじればいじるほど同室の人間の機嫌が悪くなっていったものだが。今は何も気にすることなくのびのびと寝る前の心地よい時間を堪能することができる。本当は寝る前にスマホをいじるのは睡眠の質的に良くないと知っているのだが、まあ楽しいしあまり気にしなくていいか! と思ってしまうのである。このくらい適当な方が楽だ。
さあ、明日も大学に行くのだ、早く寝てしまおう。その前に布団の上でダラダラするのも忘れずに。
明日も気分良く生きられるといい。